健康診断で運動を勧められたら?理学療法士が始める手順を解説

健康診断の結果で「運動不足」「生活習慣の改善が必要」「保健指導の対象」などと指摘されると、「何か始めなければ」と焦る方も多いのではないでしょうか。

しかし、いきなり長距離を走ったり、負荷の高いトレーニングを始めたりする必要はありません。

はじめに

運動習慣が少ない方は、まず日常生活のなかで今より少しでも多く身体を動かすことから始めるのが大切です。

この記事では、健康診断をきっかけに運動を始めたい方に向けて、歩行を増やす工夫と自宅でできる筋力トレーニング、安全に続けるための注意点を、理学療法の視点も踏まえて解説します。

厚生労働省が示す運動量の目安

厚生労働省の成人向け推奨では、日常生活での動きも含めた「身体活動」と、計画的に行う「運動」を区別しています。

掃除・買い物・通勤時の歩行なども、身体活動に含まれます。

成人向けの目安と日常での考え方は以下の通りです。

  • 身体活動: 歩行または同等以上の強度の活動を1日60分以上(およそ1日8,000歩以上に相当)が目安となります。通勤、買い物、家事、階段利用などを含みます。
  • 運動: 息が弾み、汗をかく程度の運動を週60分以上が目安です。速歩、軽いジョギング、自転車、体操などを、無理のない範囲で取り入れます。
  • 筋力トレーニング: 週2〜3日が目安です。自重スクワットや椅子からの立ち座りなどでも構いません。
  • 座りっぱなし: 長くなりすぎないよう注意が必要です。仕事中も、ときどき立つ・歩く・身体を動かすことを意識します。

これらは「必ず一度に達成しなければならないノルマ」ではありません。

厚生労働省は、健康状態や体力には個人差があるため、強度や量を調整し、可能なものから始めることを勧めています。

なお、高齢の方や身体機能が低下している方では、目標量や運動内容を個別に考える必要があります。

高齢者には、筋力・バランス・柔軟性を組み合わせた多要素運動も推奨されています。

最初の一歩は「+10分」の歩行から

「1日8,000歩」と聞くと高いハードルに感じるかもしれません。

その場合は、今の生活に10分程度の身体活動を足すことを目安にしてみましょう。

e-ヘルスネットでは、身体活動を1日10分増やすことで、疾病の発症リスクや死亡リスクが約3%低下すると推測されています。

歩行時間と歩数の関係には歩幅や速度による個人差がありますが、10分の歩行はおおよそ1,000歩の目安になります。

大切なのは歩数の数字そのものよりも、昨日より少し活動量を増やすことです。

日常生活で歩行時間を増やす工夫

通勤や買い物など、もともと行っている行動に少しだけ工夫を加えると、運動のための特別な時間を確保しなくても身体活動を増やせます。

場面に応じた取り入れやすい工夫は以下の通りです。

  • 通勤・外出: 一駅手前で降りる、遠回りして歩く、目的地の少し手前で降車する。
  • 建物内の移動: 体調に問題がなければ、エレベーターやエスカレーターの一部を階段に置き換える。
  • 買い物: あえて少し遠い店を選ぶ、駐車場では入口から離れた場所に停める。
  • 自宅周辺: 食後や夕方に、まずは10分だけ散歩する時間を決める。
  • デスクワーク: 座りっぱなしを避け、定期的に立ち上がって数分歩く。

歩行を始めるときは、会話ができる程度のペースを目安にしてください。

翌日に強い疲れが残る、膝や腰の痛みが強くなる場合は、時間や速度を下げて調整しましょう。

自宅で始める筋力トレーニング:まずは下半身を意識

歩行に加えて、週2〜3日の筋力トレーニングを組み合わせることが勧められています。筋力トレーニングにはマシンやダンベルだけでなく、自分の体重を負荷にする自重運動も含まれます。スクワットはその代表例です。

筋力トレーニングは、筋力や身体機能の維持・向上に役立つだけでなく、疾患発症や死亡リスクの低減につながる可能性が報告されています。

また、有酸素性の身体活動と組み合わせることで、さらなる健康増進効果が期待されます。

初心者向け:椅子を使った立ち座り運動

膝や腰に不安がある方、スクワットに慣れていない方は、安定した椅子を使った立ち座りから始めるとよいでしょう。

椅子は壁際に置き、動かないことを確認してください。

  1. 椅子の前方に浅く腰掛け、足を肩幅程度に開きます。
  2. 足裏全体で床を押す意識で、ゆっくり立ち上がります。
  3. お尻を後ろへ引き、椅子にゆっくり腰を下ろします。
  4. 痛みがなく、姿勢を保てる回数だけ繰り返します。

回数や深さを一律に決める必要はありません。

まずはフォームを確認しながら、少ない回数から始めましょう。

膝や腰に痛みが出る、ふらつく、動作が不安定になる場合は中止してください。

スクワットへ進むときのポイント

椅子からの立ち座りに慣れてきたら、自重スクワットに進むこともできます。

足を肩幅程度に開き、お尻を後ろへ引くようにして、痛みのない範囲までゆっくり膝と股関節を曲げます。膝はつま先と同じ方向へ向け、背中を丸めたり、反動をつけたりしないことが大切です。

太ももを床と平行まで下げる必要はありません。

深さよりも、痛みがなく安定した姿勢で行えることを優先してください。運動で悪化する膝・腰の痛みや関節の病気がある場合は、自己判断で負荷を上げず、医師や理学療法士などへ相談しましょう。

安全に続けるために確認したいこと

運動は健康づくりに役立ちますが、体調や持病によっては注意が必要です。

特に、普段ほとんど運動をしていない方が急に強度の高い運動を始めると、けがや体調不良のリスクが高まります。

低強度・短時間から始め、少しずつ量や強度を上げていきましょう。

状況に応じた対応の目安は以下の通りです。

  • 心臓病・高血圧・糖尿病などで治療中、または医師から運動の制限を言われている場合: 始める前に主治医へ、可能な運動の種類・強度・注意点を確認します。
  • 膝や腰に強い痛みがある、運動で痛みが悪化する場合: 無理に歩行距離や筋トレの回数を増やさず、医療者に相談します。
  • 運動中に胸痛、強い息切れ、動悸、めまい、冷や汗、強い関節・筋肉痛が出た場合: その場で運動を中止し、必要に応じて医療機関へ相談します。
  • ある程度の強度の運動を行う場合: 運動前にウォームアップを行い、終了後は5〜10分程度のクールダウンを取り入れます。

スマートフォンの歩数計やスマートウォッチを使って、歩数や運動時間を記録することも有効です。

数値を他人と比較するためではなく、自分自身の変化を把握するために活用しましょう。

まとめ:今日から始めるなら「10分多く歩く」こと

健康診断で運動を勧められたからといって、いきなり激しいトレーニングを始める必要はありません。

まずは、今の生活に10分程度の歩行を加えることから始めてみましょう。慣れてきたら、週2〜3日の自重トレーニングを組み合わせ、座りっぱなしの時間を減らしていくとよいでしょう。

小さな行動を無理なく続けることが、次回の健康診断に向けた生活習慣の見直しにつながります。体調の変化や痛みを見逃さず、自分に合ったペースで取り組んでください。

姿勢、歩き方、運動フォーム、膝や腰に負担をかけにくい運動の選び方について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください。

参考文献・公的データ出典

  1. 厚生労働省.身体活動・運動の推進―健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023.URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html
  2. 厚生労働省.健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023:成人版(PDF ).URL:https://www.mhlw.go.jp/content/001195866.pdf
  3. 厚生労働省 e-ヘルスネット.「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨シート:成人版.URL:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-00-002.html
  4. 厚生労働省.健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023:身体活動・運動を安全に行うためのポイント.URL:https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf
  5. U.S. Department of Health and Human Services, Office of Disease Prevention and Health Promotion.Physical Activity Guidelines for Americans: Current Guidelines.URL:https://odphp.health.gov/our-work/nutrition-physical-activity/physical-activity-guidelines/current-guidelines

ダイエットに必要な運動量は?【歩数や筋トレなど、理学療法士が解説】

ダイエットに必要な運動量はどのくらいか、理学療法士の視点から疑問にお答えします。

「毎日どれくらい歩けばいいの?」「筋トレは毎日やった方がいい?」

とお悩みではありませんか?

今回は、医学論文データベース「PubMed」に掲載されている研究をもとに解説します。

1.ダイエットは「歩く+筋トレ+食事」が基本

体重を減らすためには、運動だけに頼るのではなく、食事と身体活動を組み合わせることが重要です。食事と運動を組み合わせたプログラムは、食事のみ、あるいは運動のみのプログラムと比較して、長期的な体重減少に有利であることがシステマティックレビューでも報告されています。

そのため、

①日常生活で動く

②有酸素運動を行う

③筋肉を落とさないために筋トレをする

④食事を整える

という4つを組み合わせて考えることが大切です。

2.ダイエットには週何分くらい運動すればいい?

一つの目安となるのが、中強度の有酸素運動を週150分以上です。

2024年に発表されたアメリカスポーツ医学会(ACSM)の最新コンセンサスでは、体重・体脂肪管理のために身体活動を少なくとも週150分程度まで段階的に増やしていくことが推奨されています。また、効果には「量反応関係」があり、運動量が増えるほど効果も大きくなる傾向があります。さらに2024年のランダム化比較試験を対象としたメタ解析でも、有酸素運動の時間が増えるにつれて、体重・腹囲・体脂肪が減少する傾向が確認され、週150分以上が体脂肪や腹囲を減らす一つの重要な目安と報告されています。

3.週150分というと?

たとえば、30分 × 週5日、50分 × 週3日、20〜25分程度 × ほぼ毎日といった方法があります。

しかし、すべてを一度に行う必要はありません。

運動習慣がない方は、まず1日10〜20分程度のウォーキングから始めるだけでも十分な第一歩です。

4.1日何歩歩けば痩せる?

よく、「1日1万歩歩かないと意味がない」と思われていますが、1万歩は絶対的な基準ではありません。歩数計を使用した研究をまとめたシステマティックレビューでは、歩数計を使った介入によって、参加者は対照群より平均約2,500歩/日多く歩くようになり、BMIもわずかながら有意に低下しました。つまり、最初から1万歩を目指すよりも、「今より2,000〜3,000歩多く歩く」という考え方も現実的です。

たとえば現在4,000歩の方なら、

4,000歩

6,000歩

7,000〜8,000歩

というように段階的に増やしていきます。

また、減量プログラムを行った研究では、1日約1万歩、そのうち約3,500歩をある程度まとまった中〜高強度の活動として行っていた人ほど、体重減少が大きい傾向が報告されています。

そのため、単純に歩数だけを増やすのではなく、「少し速く歩く時間を作る」こともポイントです。

5.ダイエット中こそ筋トレが大切

体重を減らすときに注意したいのが、脂肪だけでなく筋肉まで減ってしまうことです。

筋肉量が減りすぎてしまうと、体重は減っても「疲れやすくなった」「体力が落ちた」と感じる可能性があります。

過体重・肥満の方を対象としたメタ解析では、レジスタンストレーニング(筋力トレーニング)は筋肉量を増やすことに有効であり、食事制限と組み合わせた場合にも除脂肪量を維持する効果が示されています。

つまり、ダイエットで筋トレをする目的は、「筋トレだけで大量の脂肪を燃焼させる」というより、「脂肪を減らしながら、できるだけ筋肉を守る」

ことにあります。

6.筋トレは週何回?

一般的には、週2〜3回程度から始めれば十分です。

ACSMの運動指針でも、主要な筋群に対する筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。毎日ハードな筋トレをする必要はありません。

特に運動初心者の方は、週2回、20〜30分程度から始めるだけでも十分です。

継続できる量から始め、少しずつ回数や負荷を増やすことが重要です。

7.ダイエットではどこの筋肉を鍛えればいい?

「痩せるためには、この筋肉を鍛えればいい」という特定の筋肉があるわけではありません。

2024年のACSMコンセンサスでも、体重減少について特定の一種類の運動だけが明確に優れているとはされておらず、さまざまな運動を組み合わせることが勧められています。

そのため、筋トレでは全身の主要な筋肉をバランスよく使うことが基本です。

初心者の方であれば、特に以下のような運動がおすすめです。

<太もも・お尻>

スクワット、椅子からの立ち座り、ヒップリフト

<ふくらはぎ>

かかと上げ

<背中>

ゴムバンドを使ったローイング

<胸・腕>

壁を使った腕立て伏せ

<お腹・体幹>

ブリッジ、軽い体幹トレーニング

特にスクワットや立ち座りなどは複数の筋肉を同時に使用できるため、運動初心者にも取り入れやすい運動です。

8.お腹を痩せたいなら腹筋をすればいい?

「お腹の脂肪を落とすために腹筋を毎日100回」という方法をイメージする方も多いかもしれません。

しかし、腹筋運動だけでお腹の脂肪が落ちるとは限りません。

6週間にわたり週5日腹筋運動を行ったランダム化比較試験では、腹筋の持久力は改善したものの、体脂肪率・腹囲・腹部脂肪には有意な変化が認められませんでした。

局所的な運動による脂肪減少については研究が完全に一致しているわけではありませんが、「お腹を痩せる=腹筋だけをする」という考え方よりも、全身の身体活動量と食事を整えることが基本になります。

9.実際に何をすればいい?

運動初心者の方であれば、まずは次のような目標から始めてみましょう。

歩数:現在の歩数+2,000〜3,000歩を目標にする

ウォーキング:20〜30分程度を週3〜5回

有酸素運動:最終的には週150分以上を一つの目標にする

筋トレ:週2〜3回

筋トレする場所:脚・お尻・背中・胸・体幹など全身

いきなり全部を達成する必要はありません。

たとえば、

「今日はいつもより10分歩く」

「エレベーターではなく階段を使う」

「スクワットを10回だけ行う」

といった小さな変化からでも構いません。

ダイエットでは、一時的にたくさん運動することよりも、数か月、数年と続けられる生活習慣を作ることが重要です。

<まとめ>

ダイエットのための運動

①まずは週150分程度の有酸素運動を目指す

②歩数は「絶対1万歩」ではなく、現在より2,000〜3,000歩増やす

③歩数だけでなく、少し速く歩く時間も作る

④筋トレは週2〜3回

⑤特定の筋肉だけではなく全身を鍛える

⑥食事管理と運動を組み合わせる

ことがポイントです。

特に40代・50代・60代以降では、単純に「体重を減らす」だけではなく、筋肉や体力を維持しながら体脂肪を減らしていくことが大切です。

メディウェルネス富士では、理学療法士が身体の状態を確認しながら、運動が苦手な方でも無理なく続けられる運動方法をご提案しています。

「何から始めればいいかわからない」

「膝や腰が痛くて運動するのが不安」

「体重だけでなく、健康的に身体を引き締めたい」

という方は、お気軽にご相談ください。

参考文献(PubMed)

1. Jakicic JM, et al. Physical Activity and Excess Body Weight and Adiposity for Adults. American College of Sports Medicine Consensus Statement.Med Sci Sports Exerc. 2024. PMID: 39277776.

2. Jayedi A, et al. Aerobic Exercise and Weight Loss in Adults: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis.2024. PMID: 39724371.

3. Lopez P, et al. Resistance training effectiveness on body composition and body weight outcomes in individuals with overweight and obesity across the lifespan.2022. PMID: 35191588.

4. Creasy SA, et al. Pattern of Daily Steps is Associated with Weight Loss.2018. PMID: 29633583.

5. Bravata DM, et al. Using pedometers to increase physical activity and improve health: a systematic review.JAMA. 2007. PMID: 18029834.

6. Vispute SS, et al. The effect of abdominal exercise on abdominal fat.J Strength Cond Res. 2011. PMID: 21804427.

7. Johns DJ, et al. Diet or Exercise Interventions vs Combined Behavioral Weight Management Programs: A Systematic Review and Meta-Analysis of Direct Comparisons.2014. PMID: 25257365.

ぎっくり腰の対処法とセルフケア|理学療法士が解説

本記事では突然のぎっくり腰に対して、理学療法の専門知識に基づいた正しい対処法と、自宅でできる安全なセルフケア方法をご紹介します。


突然腰に激痛が走り、動けなくなってしまう「ぎっくり腰」。

「とりあえずベッドでじっと安静にしていればいいの?」 「冷やすべき?温めるべき?」 「痛みが落ち着いたらどんなストレッチをすればいい?」

このような疑問や不安をお持ちではありませんか?

実は、最新の医療ガイドラインでは「無理のない範囲で日常活動を続ける方が、ベッドで長期間安静にするよりも回復が早い」ということが分かっています。

この記事では、理学療法士の立場から、医学的根拠(エビデンス)に基づいたぎっくり腰の正しい基礎知識・直後の対処法・痛みの時期に応じたセルフケアを分かりやすく解説します!

ぎっくり腰(急性腰痛症)とは?原因とメカニズム

「ぎっくり腰」は正式な病名ではなく、急激に発症した腰の痛みの総称で、医学的には「急性腰痛症」と呼ばれます。

なぜ急に激痛が走るのか?

重い物を持ち上げた瞬間だけでなく、「顔を洗おうと少し前かがみになった」「くしゃみをした」「ベッドから起き上がろうとした」といった何気ない日常の動作で起こることが多くあります。

主な原因は以下の通りです。

  • 腰まわりの筋肉や筋膜の損傷(肉離れのような状態)
  • 腰の関節(椎間関節)や靭帯への急激な負担
  • 椎間板(骨と骨の間のクッション)にかかる過度な圧力

日頃の姿勢の乱れや運動不足、疲労の蓄積によって筋肉や関節が固くなっていると、ふとした動作で腰に大きな負担が集中し、ぎっくり腰を引き起こしてしまいます。

※注意:すぐに病院(整形外科)に行くべき「危険な信号」 単なるぎっくり腰ではなく、重大な病気が隠れているサイン(レッドフラグ)があります。以下の症状がある場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。

  • ・足に力が入らない、足の感覚がない(麻痺)
  • ・排尿・排便がうまくできない、漏れてしまう
  • ・発熱を伴う
  • ・楽な姿勢がなく、じっとしていても激痛が続く

「発症直後〜数日」の正しい対処法

【結論】「ずっとベッドで安静」は逆効果!

日本整形外科学会の『腰痛診療ガイドライン』などの研究データにおいて、「過度のベッド上安静は回復を遅らせる」ということが分かっています。

動けないほどの激痛がある発症直後(1〜2日)は休む必要がありますが、痛みが少し落ち着いてきたら、「耐えられる範囲で普段通りの生活を続けること」が早期回復のカギとなります。

◎発症直後(1〜2日目:急性期)のポイント

1. 楽な姿勢で休む

仰向けで足を伸ばすと腰が反って痛みが増しやすくなります。横になる際は以下の姿勢がおすすめです。

  • 横向きで寝る: 膝を軽く曲げ、抱き枕やクッションを足の間に挟む(背中を少し丸めるエビのような姿勢)
  • 仰向けで寝る: 膝の下にクッションや折りたたんだブランケットを入れて膝を曲げる

2. 冷やすか?温めるか?

  • 直後〜48時間(熱感・激痛がある時期): 患部に炎症が起きているため、氷嚢(氷水)などで15〜20分程度冷やす(アイシング)のが効果的です。
  • 3日目以降(ズキズキ感が減った時期): 筋肉のこわばりを和らげるため、湯船に浸かるなどして温める方に切り替えましょう。

理学療法士が教える!時期別のセルフケア&ストレッチ

※無理に動かすと悪化する恐れがあります。必ず「痛みのない範囲(気持ちいいと感じる程度)」で行ってください。

1. 急性期(動くのもつらい時期):安全な起き上がり方

腰をねじったり急に起こしたりすると激痛が走ります。ベッドや布団から起き上がる時は以下の手順で行いましょう。

  1. 膝を立て、体を丸めて横向きになる。
  2. 両手でベッドや床を押し、上半身をゆっくり起こす。
  3. 足をベッドの外(床)へ下ろし、最後にお尻を押して立ち上がる。

2. 亜急性期(強い痛みが引き、動けるようになってきた時期):優しいストレッチ

① 膝抱えストレッチ(腰〜背中の緊張を和らげる)

  1. 仰向けになり、両膝を曲げます。
  2. 痛みのない範囲で両手で膝を抱え、胸の方へゆっくり引き寄せます。
  3. 呼吸を止めずに20〜30秒キープします。(2〜3回繰り返す)

② 骨盤傾斜運動(腰まわりをほぐす)

  1. 仰向けになり、両膝を立てます。
  2. 息を吐きながら、お腹に軽く力を入れて床と腰の隙間を埋めるように腰を平らにします(骨盤を後ろに倒す意識)。
  3. 息を吸いながら力を抜きます。これをゆっくり10回ほど繰り返します。

ぎっくり腰を繰り返さないための日常習慣と再発予防

ぎっくり腰は一度治っても、1年以内に再発する確率が高いと言われています。再発を防ぐための予防ポイントを2つご紹介します。

1. 「股関節を使う動作」を意識する

洗面台で顔を洗う時や、床の物を拾う時、膝を伸ばしたまま腰だけを曲げていませんか? 腰だけに負担が集中するため、非常に危険です。

  • 正しい動作: 膝と股関節をしっかり曲げ、お尻を後ろに引くようにして腰を落とす。

2. インナーマッスル(腹横筋)と軽い運動習慣

腰を支える「天然のコルセット」と呼ばれるお腹の深層筋肉(腹横筋)を意識することや、痛みが落ち着いてからのウォーキングなどの有酸素運動(週2〜3回、1回20分程度)は、腰痛再発予防において強く推奨されています。

まとめ:正しく恐れて、安全に体を動かそう!

ぎっくり腰になった時の重要ポイントをおさらいしましょう。

  • 激痛がある最初の1〜2日以外は、過度の安静を避けて「できる範囲で動く」
  • 発症直後は冷やし、楽な姿勢(膝を曲げる)で休む
  • 痛みが和らいだら、膝抱えストレッチなど無理のないセルフケアを開始する
  • 普段から股関節を使った正しい姿勢・動作を意識する

「痛みが完全に消えるまでずっと寝ている」のではなく、痛みの様子を見ながら少しずつ日常生活に戻していくことが早期回復への一番の近道です。

もし「痛みが全く引かない」「足にしびれがある」といった場合は、自己判断を続けず、早めに整形外科や理学療法士などの専門家に相談してくださいね。

【扁平足とは?】原因とセルフケア3選!下半身太りや疲労を解消

「立ち仕事をしていると、すぐ足の裏やふくらはぎが疲れる…」

「最近、お気に入りの靴の底が内側ばかりすり減っている…」

「歩くとすぐ疲れ、下半身の太さや姿勢の崩れが気になる…」

そんな足元のお悩みはありませんか?もしかするとその原因は、「扁平足(へんぺいそく)」かもしれません。

扁平足は単に「土踏まずがない状態」というだけでなく、放置すると膝痛や腰痛、全身のボディラインの崩れにも繋がります。

今回は、パーソナルトレーナーの視点から、扁平足の原因・デメリットと、自宅で今日からできる効果的なセルフケア&改善トレーニング3選を解説します!

扁平足(へんぺいそく)とは?原因とチェック方法

扁平足とは、足の裏にある「内側縦アーチ(いわゆる土踏まず)」が低下・消失し、足裏全体が地面にベタッとついてしまう状態を指します。

足裏の「アーチ」が持つ大切な役割

人間の足には本来、3つのアーチ構造が存在します。このアーチには以下の重要な役割があります。

  • クッション機能:歩行やジャンプ時の衝撃を吸収し、膝や腰への負担を和らげる
  • バネ機能(推進力):歩く・走る時に効率よく前へ進む力を生み出す

扁平足になるとこのクッション機能が機能しなくなり、衝撃がダイレクトに全身へ伝わってしまうのです。

あなたは大丈夫?簡単セルフチェック

  • 床に立った時、土踏まずの隙間に指が入らない(または隙間が狭い)
  • 長時間歩くと、足裏のかかと周辺やふくらはぎがだるくなる
  • 後ろから見ると、かかとの骨が内側に傾いている(過回内/オーバープロネーション)
  • 靴の底が「内側」から極端にすり減る

扁平足を放置する3つのデメリット

扁平足は足の痛みだけでなく、姿勢や体型にも悪影響を及ぼします。

1. 下半身太り・脚の張りの原因になる

足裏のクッションが機能しないため、歩くたびに「ふくらはぎ」や「太もも」の筋肉が過剰に踏ん張ることになります。その結果、脚の筋肉が前張り・外張りしやすくなり、下半身が太く見えてしまいます。

2. 骨盤がゆがみ、ポッコリお腹や猫背に

足元が内側に倒れ込むと、連動して膝や股関節も内側に捻じれます(内股傾向)。これにより骨盤が歪み、ポッコリお腹や猫背といった姿勢の悪化につながります。

3. 足底腱膜炎や関節痛のリスクが高まる

アーチが潰れることで足裏の腱が過剰に引き伸ばされ、かかと周辺に痛みが出る「足底腱膜炎(そくていけんまくえん)」や、外反母趾、膝関節痛を引き起こしやすくなります。

自宅でできる!扁平足を改善するセルフケア&トレーニング3選

扁平足を改善するには、「足裏の筋力を鍛えること」「足首周りの硬さをほぐすこと」が効果的です。専門的な知見に基づいた3つのセルフケアをご紹介します。

① タオルギャザートレーニング

足裏のインナーマッスル(足底挿入筋・短趾屈筋群)を鍛え、土踏まずの形状を保持する力を高めます。

  1. 椅子に浅く座り、床に広げたタオルの端に足を乗せます。
  2. かかとを床につけたまま、足の指全体を使ってタオルを手前にたぐり寄せます。
  3. 1日左右10〜15回×2セットを目安に行います。

コツ:爪先だけでなく、足指の根元(関節)からしっかり曲げて引き寄せるのがポイントです。

② ボールを挟んで踵上げ

土踏まずを上から吊り上げている最重要な筋肉「後脛骨筋(こうけいこつきん)」を鍛えます。

  1. 内くるぶし・かかとの間に小さめのボール(または丸めたフェイスタオル)を挟みます。
  2. ボールを落とさない・潰しすぎないように保持したまま、まっすぐ垂直につま先立ちをします。
  3. ゆっくりかかとを下ろします。
  4. 15回×2セットを目安に行います。

コツ:かかとが外側に開かないよう保持することで、後脛骨筋へダイレクトに効かせることができます。

③ アキレス腱・ふくらはぎのストレッチ

ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)が硬いと、歩行時に土踏まずが代償的に潰れやすくなります。

  1. 壁に向かって立ち、両手を壁につけます。
  2. 片足を大きく後ろに引き、後ろ足のかかとを床につけたまま膝を伸ばし、アキレス腱を30秒伸ばします(腓腹筋)。
  3. 続いて、後ろ足の膝を軽く曲げた状態でさらに30秒伸ばします(比目魚筋)。
  4. 左右各2セット行います。

まとめ:土踏まずを整えて、疲れにくい美脚と正しい姿勢を手に入れよう!

身体の土台である「足元」が歪んでいると、どれだけ上半身のトレーニングやダイエットを頑張っても、綺麗な姿勢やボディラインを作ることはできません。

日常の歩き方や姿勢を根本から変えるためにも、ぜひ今回のセルフケアを毎日の習慣にしてみてください!

当パーソナルジムでは、一人ひとりの足元のアライメント(骨配列)や姿勢の歪みを評価し、根本原因にアプローチするオーダーメイドのトレーニングをご提供しています。「自分の足の状態を知りたい」「正しいフォームで運動したい」という方は、ぜひお気軽に体験トレーニングにお越しください!

引用・参考文献

  1. 日本整形外科学会(JOA) 『成人期扁平足(Adult-Acquired Flatfoot Deformity)診療指針・疾患解説』
  2. McKeon, P. O., Hertel, J., Bramble, D., & Davis, I. (2015). “The foot core system: a new paradigm for understanding intrinsic foot muscle function.” British Journal of Sports Medicine, 49(5), 290-292.
  3. Mulligan, E. P., & Cook, P. G. (2013). “Effect of plantar intrinsic muscle training on medial longitudinal arch height and dynamic balance.” Journal of Sport Rehabilitation, 22(1), 25-30.
  4. 理学療法学(日本理学療法士学会) 『足部・足関節障害に対する運動療法の理論と実践:後脛骨筋および足底固有筋群へのアプローチ』

富士市の地域情報誌『Face to Face』に掲載されました!

こんにちは!富士市・富士宮市で「整えてから鍛える」をコンセプトに、理学療法士がサポートするパーソナルジムを運営しているメディウェルネス富士です。

この度、星野新聞堂様が発行する地域の人気情報誌『Face to Face(フェイス トゥ フェイス)』2026年8月号(Vol.222)の特集記事にて、取材協力をさせていただきました!

富士市のパーソナルジム メディウェルネス富士の雑誌掲載情報

♦︎特集テーマ:「老化を朗らかに笑って歳を重ねよう 〜あなたの足腰、じつは何歳?〜」

今回の記事では、年齢とともに気になる「足腰の衰え」や「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」をテーマに、理学療法士の視点からお話しさせていただきました。

誌面では、以下のようなお悩みや疑問に具体的にお答えしています。

  • 自分の今の状態を知る「ロコモチェック」の7つの項目
  • 日常的に腹筋を鍛えているのに、腰痛が緩和しないのはなぜ?
  • 片足立ちでふらつくのを改善するには、どのようなトレーニングをしたらいい?

多くの人が「筋力をつければ解決する」と思いがちですが、実は身体が歪んだまま、あるいは使い方が偏ったまま筋トレをしてしまうと、かえって関節への負担を増やしてしまうことがあります。

大切なのは、筋肉を鍛える前に、まずは「身体のバランスを整えること」。 メディウェルネス富士が最も大切にしているこのコンセプトが、今回の取材を通して地域の皆さまに少しでも伝われば嬉しく思います。

「最近、片足立ちが不安定になってきた」 「ウォーキングを頑張っているけれど、腰や膝に違和感がある」

そんな方は、まずはご自身の身体のバランスや使い方のクセを「客観的に知る」ことから始めてみませんか?

メディウェルネス富士では、医療現場での経験豊富な理学療法士が、お一人おひとりの姿勢や歩き方を細かく分析し、根拠に基づいたオーダーメイドのケアとトレーニングをご提案しています。

雑誌をご覧になって気になった方も、ぜひお気軽にお問い合わせ・ご相談ください!

デスクワークの手首の痛みを防ぐ!理学療法士直伝の簡単ケア2選

「たかがデスクワーク」と放っておくと、慢性的な痛みに繋がり、大好きな運動や日々の仕事の効率が落ちてしまうことも……。

今回は、体の仕組みのプロ(理学療法士)の視点から、デスクワークで手首が痛くなる原因をわかりやすく解説!さらに、科学的な研究データでも効果が認められている「今日からデスクでできる簡単ケア2選」をご紹介します。

そもそもなぜ?デスクワークで手首が痛くなる原因

パソコン作業中、私たちの手首には想像以上のストレスがかかっています。主な原因は「手首の使いすぎ」「筋肉のアンバランス」です。

1. 手首を「上にそらした姿勢」がずっと続いている

キーボードを叩いたり、マウスを握ったりするとき、多くの人は手首を上に少しそらした状態をキープしています。

実は、この姿勢を保つために、「指を伸ばす筋肉」や「手首を起こす筋肉(ひじから手首にかけての筋肉)」がずーっと緊張して働き続けているのです。

【ここがポイント!】 これらの筋肉のすじ(腱)は、手首にあるトンネルのような場所を通っています。筋肉の緊張が続いてカチカチになると、このトンネルの中でこすれ合いが起き、これが手首の重だるさや痛みの原因になります。

2. データが証明する「長時間のデスクワーク」のリスク

海外の専門的な研究データでも、「1日4時間以上のパソコン作業」や「手首が不自然に曲がった状態での作業」は、腕の筋肉の疲労を急激に高め、手首の不調を引き起こす大きなリスクになることがはっきりと報告されています。

今日からできる!手首の負担を減らす簡単セルフケア2選

ガチガチに固まった腕の筋肉をリセットし、手首をラクにするための具体的なケアを2つご紹介します。どちらもデスクに座ったまま1分でできます!

① 腕の外側を伸ばす「じわじわストレッチ」

キーボード操作で一番疲れがたまっている「手首をおこす筋肉」を優しく伸ばします。

  • やり方:
    1. 片方の腕を前にまっすぐ伸ばし、手のひらを下に向けます。
    2. 反対の手で、伸ばした方の手(指の付け根あたり)を包むように持ちます。
    3. 手首を下(手のひら側)に向かって、じわーっと曲げていきます。
    4. 腕の外側(ひじから手首にかけて)が気持ちよく伸びているところでストップします。
  • 時間・回数の目安: 息を止めずに20秒〜30秒キープ × 左右2〜3回
  • ポイント: グイグイと反動をつけず、痛みのない「あ〜気持ちいいな」と感じる強さで行ってください。20秒以上じっくり伸ばすことで、筋肉の緊張が効率よくほぐれることが分かっています。

② 親指の付け根をほぐす「セルフマッサージ」

マウスを握ったり、スマホを支えたりするときに激しく疲れる「親指の付け根のふくらみ」をほぐします。

  • やり方:
    1. 手のひらを上に向けます。
    2. 反対側の親指を使って、自分の「親指の付け根のふくらんだ部分」を、円を描くように優しく押しほぐします。
  • 時間・回数の目安: 左右それぞれ30秒程度
  • ポイント: 実は、この親指の付け根が硬くなると、連動して手首の関節の動きまで悪くなってしまいます。ここをほぐして手のひらを柔らかく保つことが、手首にかかる負担を減らす隠れた裏ワザです。

まとめ:環境を少し変えるだけでも手首はラクになる

セルフケアに加えて、普段の「デスク環境」を少し見直すだけでも、手首の負担は激減します。

  • 手首の下にクッション(リストレスト)を敷いて、手首が上を向きすぎないようにする
  • ひじの角度がだいたい90度になるように、椅子の高さを調整する

こうした小さなケアの積み重ねが、5年後、10年後も痛みのない動ける体を作ります。

当ジムでは、単に筋肉を鍛えるだけでなく、こうしたデスクワークによる体の不調や、姿勢の崩れを根本から整えるサポートをしています。

「肩こりや手首の痛みのせいで、仕事も運動も集中できない……」とお悩みの方は、ぜひ一度ジムの体験トレーニングへお越しください!あなたの体に合わせた最適なケアをお伝えします。

🗂️ 参考文献

本記事は、以下の人間工学やリハビリテーション医学、作業保健分野の学術的知見・研究データをベースに執筆しています。

  1. Eltayeb, S. et al. (2007)
    • “Prevalence and complaints of arm, neck and shoulder in computer office workers and associations with socio-demographic, computer-related and psychosocial factors.”
    • (コンピュータ作業者における上肢・頸肩部の不調のリスク因子の関連性に関する研究)
  2. 日本整形外科学会 / 日本手の外科学会 診療ガイドライン
    • 手・手関節のオーバーユース(使いすぎ)に伴う腱障害の発生メカニズム、および静的ストレッチング(20秒以上の持続伸張)による筋緊張緩和のエビデンス。

偏頭痛の対策に!なぜ休日に頭痛がする?理学療法士が教える予防ケア2選

せっかくの休日なのに、ズキズキとした偏頭痛に悩まされていませんか?「休みの日に限って頭痛が起きる…」「薬に頼る生活から抜け出したい…」という方も多いと思います。

実は、偏頭痛が起こる背景には、「自律神経の乱れ」「首・肩まわりの筋肉の緊張」が深く関係しています。

今回は、身体の仕組みに詳しい理学療法士の視点から、偏頭痛が起こる原因と、自宅やオフィスで手軽にできる2つの予防セルフケアを分かりやすく解説します!

そもそも「偏頭痛」が起こる原因とは?

偏頭痛の主な原因は、脳の血管が急激に広がり、その周りにある神経が刺激されて痛みが引き起こされるためと言われています。

では、なぜ血管が急に広がってしまうのでしょうか?日常のなかに2つの大きなきっかけが潜んでいます。

原因1:ストレスから「解放」された瞬間

「平日は仕事で忙しくて大丈夫なのに、土曜日になると頭痛がする…」という経験はありませんか? 人間は、緊張しているときは血管が縮まり、ホッとリラックスすると血管が広がります。平日の張り詰めた状態から解放されて、身体が急激にリラックスモードに切り替わったときに血管が広がり、頭痛が起きやすくなるのです。

原因2:デスクワークによる首や肩のコリ

長時間のスマホやパソコン操作で「猫背」や「ストレートネック」になると、頭を支える首の後ろの筋肉がガチガチに硬くなってしまいます。 首まわりの筋肉が硬くなると、頭へとつながる血流のコントロールが乱れやすくなり、頭痛を招く一因になります。

【今すぐできる】偏頭痛を防ぐための簡単セルフケア2選

偏頭痛が「今まさに激しく痛んでいるとき」に、運動したり温めたりするのは逆効果(血管をさらに広げてしまうため)です。 「今日は頭痛がきそうだな…」という予兆があるときや、痛みのない普段の予防として、以下のケアを試してみてください。

① 首の後ろを優しくほぐす「リラックス押し」

頭と首の境目にある、頭痛に関係しやすい筋肉の緊張を優しく緩めます。

  • やり方:
    1. 椅子に座るか、仰向けに寝てリラックスします。
    2. 両手の親指を、髪の生え際あたり(頭の後ろの出っ張った骨のすぐ下、少しへこんでいる部分)に当てます。
    3. 心地よい強さで、頭のてっぺん方向に向かって優しく押し上げます。
    4. そのまま深呼吸をしながら20秒〜30秒間キープします。
  • ポイント: グイグイと強く揉みすぎず、指の腹でじわーっと優しく圧を加えるのがコツです。

② 自律神経を整える「胸を開く深呼吸ストレッチ」

胸まわりを大きく動かして呼吸を深くし、自律神経のバランスを優しく整えます。

  • やり方:
    1. 椅子に深く座り、両手を頭の後ろで組みます。
    2. 鼻から息を吸いながら、肘を左右に大きく開き、胸を天井に向けるように軽く反らせます。
    3. 口から細く長く息を吐きながら、肘を閉じ、背中を丸めておへそを覗き込みます。
    4. これを5回〜8回、ゆっくりと繰り返します。
  • ポイント: 首だけを動かすのではなく、胸の骨から大きく動かすイメージで行いましょう。

まとめ:頭痛に悩まされない身体づくりを目指しましょう!

今回ご紹介したセルフケアは、日常のちょっとした緊張を和らげるための予防策です。 片頭痛が起きにくい健やかな身体を目指すためには、骨盤の傾きや背骨のバランスを整え、首や肩に負担をかけない「正しい姿勢」と「正しい身体の使い方」を身につけることがとても大切です。

当ジム「メディウェルネス富士」では、理学療法士の資格を持つトレーナーが、お客様一人ひとりの姿勢や筋肉のバランスを細かくチェック。頭痛や肩こりに悩まされにくい、理想的な身体づくりをマンツーマンでサポートしています。

「根本的に姿勢を見直して、毎日をスッキリ快適に過ごしたい!」という方は、ぜひ一度体験トレーニングへお越しください!

参考文献

当記事は、以下の医学的知見・ガイドラインを参考に、一般的な健康情報として作成しています。

  1. 日本頭痛学会・国際頭痛学会 監修:『国際頭痛分類 第3版』
  2. 日本頭痛学会 編集:『慢性頭痛の診療ガイドライン 2013』
  3. 坂井文彦 著:『頭痛のケアとリハビリテーション』
  4. Castien, R. F., et al. (2011). Manual therapy or usual care by a general practitioner for chronic tension-type headache: a pragmatic randomized controlled trial. Manual Therapy, 16(2), 119-124.

腰痛でお困りの方に、姿勢・歩き方から考える腰痛対策

腰痛で仕事に集中できない方へ|姿勢・歩き方から考える腰痛対策

「座っていると腰が重くなる」
「立ち仕事の後半になると腰がつらい」
「腰痛が気になって仕事に集中できない」
「整体やマッサージを受けても、しばらくすると戻ってしまう」

このような悩みはありませんか?

腰痛は、ただ「腰が痛い」という問題だけではありません。仕事中の集中力、作業効率、疲れやすさにも関係することがあります。

特に働く世代では、腰痛を我慢しながら仕事を続けている方も少なくありません。しかし、腰痛を「年齢のせい」「疲れているだけ」と放置してしまうと、日常生活や仕事のパフォーマンスにも影響が出ることがあります。

この記事では、理学療法士の視点から、腰痛と仕事への影響、姿勢・歩き方との関係、運動を始める前に確認したいポイントについてわかりやすく解説します。

腰痛は仕事の集中力や作業効率にも関係する

腰痛があると、仕事中にこのようなことが起こりやすくなります。

  • 長時間座っているのがつらい
  • 立ち仕事の後半で腰が重くなる
  • 中腰作業や荷物を持つ動作が不安になる
  • 痛みが気になって集中しにくい
  • 仕事後に疲れが強く、運動する気力が残らない

腰痛は、休むほどではなくても、仕事中のパフォーマンスを下げることがあります。

研究で示されていること

日本の労働者を対象にした研究では、仕事に支障をきたす健康問題として、首・肩こり、腰痛、メンタル不調が上位に挙げられています。

また、腰痛による仕事中の生産性低下コストは、1人あたり年間407.59米ドル、日本全体では年間270億米ドル以上と推計されています。

さらに、2025年の日本人労働者を対象にした研究では、腰痛による仕事中の生産性低下コストは、従業員1,000人あたり年間488,210米ドルと報告されています。

難しい専門用語を使わずに言えば、腰痛は「出勤はできているけれど、本来の力を発揮しにくい状態」につながる可能性があるということです。

腰痛の原因は「腰だけ」とは限らない

腰が痛いと、どうしても腰そのものに原因があるように感じます。

もちろん、腰の筋肉や関節に負担がかかって痛みが出ることもあります。しかし、実際には腰だけでなく、身体全体の使い方が関係していることもあります。

たとえば、腰痛には次のような要素が関係することがあります。

  • 股関節の硬さ
  • 背中やお尻の筋力低下
  • 体幹の使い方
  • 長時間の座り姿勢
  • 中腰や前かがみ動作
  • 歩き方のクセ
  • 仕事中の身体の使い方
  • 睡眠不足やストレス
  • 運動不足

大切なのは、「姿勢が悪いから腰痛になる」と単純に決めつけないことです。

姿勢や歩き方は、腰痛の原因そのものとは限りません。しかし、腰に負担がかかりやすい身体の使い方を見つける手がかりになることがあります。

そのため、腰痛対策では、痛い場所だけでなく、姿勢・歩き方・股関節・体幹・仕事中の動作まで含めて確認することが大切です。

デスクワークの腰痛で起こりやすいこと

デスクワークでは、長時間座り続けることが腰への負担につながることがあります。

特に多いのは、次のようなパターンです。

  • 座っているうちに背中が丸くなる
  • 骨盤が後ろに倒れた姿勢が続く
  • 股関節が硬くなる
  • お尻の筋肉を使う機会が減る
  • 立ち上がる時に腰が重い
  • 夕方になると腰がつらい

座っている姿勢が長く続くと、腰まわりだけでなく、股関節や背中の動きも硬くなりやすくなります。

その状態で急に立ち上がったり、荷物を持ったりすると、腰に負担が集中しやすくなることがあります。

デスクワークの腰痛対策では、単に「良い姿勢を保つ」だけでなく、こまめに身体を動かすことや、股関節・背中・体幹を使いやすくすることが大切です。

立ち仕事・現場仕事の腰痛で起こりやすいこと

立ち仕事や現場仕事では、デスクワークとは違った腰への負担があります。

たとえば、次のような動作が多い方は注意が必要です。

  • 長時間立ちっぱなし
  • 中腰作業が多い
  • 荷物を持つことが多い
  • 片側に体重をかけるクセがある
  • 同じ方向に身体をひねる作業が多い
  • 疲れてくると歩き方が崩れる

立ち仕事では、疲れてくると無意識に片足に体重をかけたり、腰を反らせたり、身体をかばう動きが出やすくなります。

また、現場仕事では「持ち上げる」「運ぶ」「しゃがむ」「立ち上がる」など、腰に負担がかかりやすい動作が多くなります。

このような場合は、腰だけをほぐすのではなく、股関節の動き、足の使い方、体幹の安定性、仕事中の動作のクセを確認することが重要です。

腰痛対策で大切なのは、ストレッチだけではない

腰痛があると、まずストレッチをしようと考える方は多いです。

もちろん、身体が硬い方にとってストレッチが役立つことはあります。しかし、腰痛対策はストレッチだけで十分とは限りません。

運動療法に関する研究

慢性腰痛に対する運動療法を調べたCochraneレビューでは、運動は何もしない場合や通常ケアと比べて、痛みを軽減する可能性があると報告されています。

ただし、「この運動をすれば必ず腰痛が改善する」というものではありません。腰痛の状態は一人ひとり違うため、必要な運動も人によって変わります。

腰痛対策では、次のような視点を組み合わせることが大切です。

  • 硬くなっている部分を動かす
  • 弱くなっている筋肉を使いやすくする
  • 腰に負担がかかりやすい姿勢を確認する
  • 歩き方や立ち方のクセを確認する
  • 仕事中に痛みが出やすい動作を見直す
  • 無理なく続けられる運動から始める

「腹筋を鍛えればいい」「ストレッチをすればいい」「マッサージを受ければいい」と一つの方法だけで考えるよりも、身体全体の状態を確認しながら対策する方が、安心して続けやすくなります。

歩き方を見ると、腰への負担が見えてくることがある

腰痛と歩き方は、一見関係がないように感じるかもしれません。

しかし、歩く時には腰、骨盤、股関節、膝、足首が連動して動いています。そのため、歩き方のクセを見ることで、腰に負担がかかりやすい身体の使い方が見えてくることがあります。

たとえば、次のような歩き方がある方は、腰への負担を確認するきっかけになります。

  • 歩幅が狭い
  • 左右で歩き方が違う
  • 片足に体重をかけやすい
  • 足が上がりにくい
  • つまずきやすい
  • 歩くと腰が重くなる
  • 長く歩くと腰だけ疲れる

もちろん、歩き方だけで腰痛の原因を決めることはできません。しかし、腰痛がある方にとって、歩き方は身体の使い方を知るための大切な情報の一つです。

腰だけを見るのではなく、歩き方や立ち方まで確認することで、自分に合った腰痛対策を考えやすくなります。

腰痛がある人が運動前に確認したいポイント

腰痛がある状態で運動を始める時は、いきなり強い筋トレをするよりも、まず自分の腰痛の特徴を確認することが大切です。

次のようなポイントをチェックしてみましょう。

  • 朝に痛いのか、夕方に痛いのか
  • 座っていると痛いのか、立っていると痛いのか
  • 前かがみで痛いのか、反ると痛いのか
  • 歩くと楽になるのか、悪化するのか
  • 仕事中のどの動作で痛みが出るのか
  • 腰だけでなく足のしびれがあるのか
  • 痛みが何週間、何ヶ月続いているのか
  • 休むと楽になるのか、安静でも痛いのか

このような情報があると、自分に合った対策を考えやすくなります。

腰痛は人によって原因や状態が違います。そのため、SNSや動画で見た運動をそのまま真似するよりも、自分の身体に合っているかを確認しながら行うことが大切です。

医療機関への相談が必要な腰痛もある

腰痛の多くは、運動や生活習慣の見直しが役立つことがあります。

しかし、なかには医療機関での確認が必要な腰痛もあります。

次のような症状がある場合は、医療機関への相談をおすすめします。

  • 足のしびれや力の入りにくさがある
  • 排尿や排便の異常がある
  • 発熱を伴う
  • 転倒や事故の後から強い痛みがある
  • 安静にしていても強い痛みが続く
  • 痛みが急激に悪化している
  • 夜間も強い痛みで眠れない
  • 原因がわからない体重減少を伴う

無理に運動を続けることが、かえって負担になる場合もあります。不安な症状がある場合は、まず医療機関で確認しましょう。

腰痛を放置せず、身体の使い方から見直すことが大切

腰痛は、ただ「腰が痛い」というだけでなく、仕事中の集中力や作業効率にも影響することがあります。

特に働く世代では、休むほどではない腰痛を我慢しながら仕事を続けている方も多いです。しかし、腰痛が続くと、日常生活や仕事のパフォーマンスにも関わる可能性があります。

腰痛対策では、痛い場所だけを見るのではなく、姿勢、歩き方、股関節、体幹、仕事中の動作まで含めて確認することが大切です。

このような方は、まず自分の身体の状態を知ることから始めてみましょう。

  • 腰痛があるけど運動を始めたい
  • 仕事中の腰の重さをどうにかしたい
  • 姿勢や歩き方から身体を見直したい
  • 自己流の運動が合っているのか不安

富士市で腰痛にお悩みの方へ

メディウェルネス富士では、理学療法士が姿勢・歩き方・体力・身体の使い方を確認しながら、痛みや不安に配慮した運動をサポートしています。

富士市で腰痛があり、運動を始めたいけれど不安がある方は、お気軽にご相談ください。

参考文献

  1. Yoshimoto T, et al. The Economic Burden of Lost Productivity due to Presenteeism Caused by Health Conditions Among Workers in Japan. Journal of Occupational and Environmental Medicine. 2020.
  2. Yoshimoto T, et al. Presenteeism Caused by Health Conditions and Its Economic Impacts Among Japanese Workers in the Post-COVID-19 Era. Journal of Occupational and Environmental Medicine. 2025.
  3. Yokota J, et al. Association of low back pain with presenteeism in hospital nursing staff. Journal of Occupational Health. 2019.
  4. Hayden JA, et al. Exercise therapy for chronic low back pain. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2021.
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更年期症状に運動は効果がある?~最近の研究からわかってきたこと~

「最近疲れやすい」
「眠りが浅い」
「なんとなく気分が落ち込む」
「体重が増えやすくなった」

40代後半から50代にかけて、このような悩みを感じる女性は少なくありません。

これらは更年期に伴うホルモンバランスの変化が関係している可能性があります。

近年の研究では、ウォーキングなどの有酸素運動が更年期症状の改善に役立つ可能性があることが報告されています。

更年期とは?

更年期とは、閉経前後の約10年間を指します。

女性ホルモン(エストロゲン)が大きく変動することで、

  • 疲れやすい
  • イライラする
  • 気分が落ち込む
  • 睡眠の質が低下する
  • 肩こりや関節痛が増える
  • 体重が増えやすくなる

など、さまざまな症状が現れることがあります。

症状の程度には個人差がありますが、日常生活に影響を及ぼす方も少なくありません。

ウォーキングなどの有酸素運動が注目されている理由

最近の研究では、

定期的な有酸素運動によって、更年期症状全体の改善や生活の質(QOL)の向上が期待できる

ことが示されています。

特に改善が期待されるのは、

✅ 睡眠の質

✅ 疲労感

✅ 不安感

✅ 気分の落ち込み

✅ ストレス

✅ 生活の質(QOL)

などです。

どれくらい歩けば良いの?

研究で行われている運動プログラムでは、

  • 週3~5回
  • 1回30~60分程度
  • 少し息が弾む程度の強度

が多く採用されています。

「運動しなければ」と気負う必要はありません。

まずは、

  • 朝や夕方の散歩
  • 買い物ついでのウォーキング
  • 一駅分歩く
  • エレベーターではなく階段を使う

など、無理なく続けられることから始めることが大切です。

ホットフラッシュへの効果は?

更年期の代表的な症状である

  • のぼせ
  • 発汗
  • ホットフラッシュ

に対する運動の効果については、まだ研究結果が一致していません。

改善を報告する研究もありますが、現時点では十分な根拠があるとは言えず、今後の研究が期待されています。

筋力トレーニングもおすすめ

更年期では女性ホルモンの低下により、

  • 筋力低下
  • 骨密度低下
  • 体脂肪増加
  • 転倒リスク増加

なども起こりやすくなります。

そのため、

ウォーキングだけでなく筋力トレーニングを組み合わせることで、より健康的な身体づくりが期待できます。

スクワットや立ち座り運動など、自宅で行える運動から始めるのもおすすめです。

メディウェルネス富士からのメッセージ

更年期症状は「年齢だから仕方ない」と我慢する必要はありません。

適切な運動習慣を身につけることで、

  • 疲れにくい身体
  • 動きやすい身体
  • 前向きな気持ち
  • 良質な睡眠

につながる可能性があります。

メディウェルネス富士では、国家資格を持つ理学療法士が身体の状態を評価し、一人ひとりに合わせた運動方法をご提案しています。

「最近なんとなく不調が続く」
「更年期かな?と思う症状がある」

そんな方はお気軽にご相談ください。

無理なく続けられる運動習慣づくりを一緒にサポートいたします。

参考文献

  1. Money A, et al. The impact of physical activity and exercise interventions on symptoms for women experiencing menopause: overview of reviews. BMC Women’s Health. 2024. PubMed PMID: 39003439.
  2. Trujillo-Muñoz PJ, et al. Effects of Physical Exercise on Symptoms and Quality of Life in Menopausal Women: A Systematic Review and Meta-Analysis. 2025.
  3. Corrêa AB, et al. Effect of physical activity on sleep in women experiencing menopausal symptoms: systematic review and meta-analysis. 2025. PubMed PMID: 40288155.
  4. Nguyen TM, et al. Exercise and Quality of Life in Women with Menopausal Symptoms: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Controlled Trials. 2020.
  5. Xu H, et al. Effects of mind-body exercise on perimenopausal and postmenopausal women: systematic review and meta-analysis. 2024.
  6. Asiamah N, et al. Effects of physical activity on menopausal symptoms, psychological distress and well-being among working women. 2024.

※本記事は研究報告をもとに作成しており、すべての方に同様の効果を保証するものではありません。症状が強い場合は医療機関への相談もご検討ください。

むくみが気になる方へ|理学療法士が考える原因と自宅でできるセルフケア

夕方になると脚が重だるい。
靴下の跡がくっきり残る。
朝は気にならないのに、夕方になると足首まわりがパンパンに感じる。

このような「むくみ」に悩む方は少なくありません。

特に、長時間の立ち仕事や座り仕事、運動不足、冷え、筋力低下などが重なると、脚のだるさや張り感を感じやすくなります。

今回は、理学療法士の視点から、むくみが起こりやすい理由と、自宅でできる簡単なセルフケアについてお伝えします。


むくみとは?

むくみとは、体の中の水分バランスが一時的に偏り、皮膚の下に余分な水分がたまりやすくなっている状態を指します。

特に脚は心臓から遠く、重力の影響も受けやすいため、ふくらはぎや足首まわりにむくみを感じる方が多くいます。

ただし、むくみの原因はさまざまです。
中には、体の不調や病気が関係している場合もあるため、急なむくみ、片脚だけの強いむくみ、痛みや息切れを伴う場合などは、医療機関への相談をおすすめします。


理学療法士が見る「むくみやすい体」の特徴

むくみは、水分だけの問題ではなく、筋肉の働きや姿勢、日常の動き方とも関係しています。

1. ふくらはぎの筋肉が使えていない

ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれることがあります。
歩いたり、足首を動かしたりすることで、脚にたまりやすい血液や水分の流れをサポートしています。

そのため、長時間座りっぱなし・立ちっぱなしの時間が多いと、ふくらはぎの筋肉が十分に働きにくくなり、脚の重だるさにつながることがあります。

2. 股関節まわりが硬くなっている

脚の付け根である股関節まわりが硬くなると、脚全体の動きが小さくなりやすくなります。

歩幅が狭くなる、骨盤まわりが動きにくい、座っている時間が長い方は、股関節まわりの動きも意識してあげることが大切です。

3. 姿勢が崩れて呼吸が浅くなっている

猫背や巻き肩の姿勢が続くと、胸やお腹まわりが動きにくくなり、呼吸が浅くなりやすいです。

呼吸は、体の内側の圧の変化にも関係しています。
ゆったりとした呼吸ができる体の状態をつくることも、むくみ対策の一つとして大切です。


自宅でできる簡単セルフケア

ここからは、むくみが気になる方におすすめのセルフケアをご紹介します。
無理のない範囲で、気持ちよく行ってください。


① 足首を動かす運動

椅子に座ったまま、足首を上下に動かします。

つま先を上げる、下げる動きをゆっくり繰り返しましょう。

目安:20回程度

ふくらはぎの筋肉を動かすことで、脚の重だるさを和らげるサポートになります。
デスクワーク中やテレビを見ながらでも取り入れやすい運動です。


② かかとの上げ下げ運動

椅子や壁に軽く手を添えて立ちます。
その場でかかとをゆっくり上げて、ゆっくり下ろします。

目安:10〜15回程度

ふくらはぎをしっかり使う運動です。
バランスが不安な方は、必ず何かにつかまりながら行いましょう。


③ 股関節まわりのストレッチ

仰向けに寝て、片膝を胸に近づけるように抱えます。
反対側の脚は伸ばしたまま、股関節まわりをゆっくり伸ばしましょう。

目安:左右20〜30秒ずつ

脚の付け根やお尻まわりの硬さが気になる方におすすめです。
腰に違和感がある場合は、無理に引き寄せすぎないようにしましょう。


④ 深呼吸で体をゆるめる

仰向け、または椅子に座った姿勢で行います。

鼻からゆっくり息を吸い、口から細く長く吐きます。
肩の力を抜き、お腹や肋骨がやさしく動くのを感じながら行いましょう。

目安:5呼吸程度

姿勢が丸まりやすい方や、緊張しやすい方は、呼吸が浅くなりがちです。
寝る前やリラックスしたい時間に取り入れるのもおすすめです。


むくみ対策で大切なのは「動かす習慣」

むくみが気になると、マッサージや着圧ソックスに目が向きやすいですが、理学療法士の視点では「自分の筋肉を使って流れをサポートすること」も大切です。

特に、ふくらはぎ・股関節・お腹まわりの動きは、脚の重だるさやむくみ感に関わりやすい部分です。

毎日たくさん運動する必要はありません。
まずは、足首を動かす、かかとを上げる、深呼吸をするなど、簡単なことから始めてみましょう。


こんなむくみは医療機関へ

次のような場合は、セルフケアだけで様子を見るのではなく、医療機関に相談することをおすすめします。

・片脚だけ急に強くむくんだ
・痛み、赤み、熱感がある
・息切れや動悸を伴う
・急に体重が増えた
・むくみが長期間続いている
・腎臓、心臓、血管などの病気を指摘されたことがある

むくみは日常生活の影響で起こることもありますが、体からのサインである場合もあります。
不安がある場合は、早めに専門機関へ相談しましょう。


まとめ

むくみは、脚だけの問題ではなく、筋肉の使い方、姿勢、呼吸、日常生活の動き方とも関係しています。

理学療法士の視点では、むくみが気になる方には、ふくらはぎや股関節まわりをやさしく動かし、体の巡りをサポートする習慣づくりが大切だと考えています。

メディウェルネス富士では、体の状態を確認しながら、一人ひとりに合わせた運動やセルフケアをご提案しています。

「脚のむくみが気になる」
「夕方になると足が重だるい」
「運動したいけれど、何から始めたらいいかわからない」

そんな方は、お気軽にご相談ください。