ダイエットに必要な運動量は?【歩数や筋トレなど、理学療法士が解説】

ダイエットに必要な運動量はどのくらいか、理学療法士の視点から疑問にお答えします。

「毎日どれくらい歩けばいいの?」「筋トレは毎日やった方がいい?」

とお悩みではありませんか?

今回は、医学論文データベース「PubMed」に掲載されている研究をもとに解説します。

1.ダイエットは「歩く+筋トレ+食事」が基本

体重を減らすためには、運動だけに頼るのではなく、食事と身体活動を組み合わせることが重要です。食事と運動を組み合わせたプログラムは、食事のみ、あるいは運動のみのプログラムと比較して、長期的な体重減少に有利であることがシステマティックレビューでも報告されています。

そのため、

①日常生活で動く

②有酸素運動を行う

③筋肉を落とさないために筋トレをする

④食事を整える

という4つを組み合わせて考えることが大切です。

2.ダイエットには週何分くらい運動すればいい?

一つの目安となるのが、中強度の有酸素運動を週150分以上です。

2024年に発表されたアメリカスポーツ医学会(ACSM)の最新コンセンサスでは、体重・体脂肪管理のために身体活動を少なくとも週150分程度まで段階的に増やしていくことが推奨されています。また、効果には「量反応関係」があり、運動量が増えるほど効果も大きくなる傾向があります。さらに2024年のランダム化比較試験を対象としたメタ解析でも、有酸素運動の時間が増えるにつれて、体重・腹囲・体脂肪が減少する傾向が確認され、週150分以上が体脂肪や腹囲を減らす一つの重要な目安と報告されています。

3.週150分というと?

たとえば、30分 × 週5日、50分 × 週3日、20〜25分程度 × ほぼ毎日といった方法があります。

しかし、すべてを一度に行う必要はありません。

運動習慣がない方は、まず1日10〜20分程度のウォーキングから始めるだけでも十分な第一歩です。

4.1日何歩歩けば痩せる?

よく、「1日1万歩歩かないと意味がない」と思われていますが、1万歩は絶対的な基準ではありません。歩数計を使用した研究をまとめたシステマティックレビューでは、歩数計を使った介入によって、参加者は対照群より平均約2,500歩/日多く歩くようになり、BMIもわずかながら有意に低下しました。つまり、最初から1万歩を目指すよりも、「今より2,000〜3,000歩多く歩く」という考え方も現実的です。

たとえば現在4,000歩の方なら、

4,000歩

6,000歩

7,000〜8,000歩

というように段階的に増やしていきます。

また、減量プログラムを行った研究では、1日約1万歩、そのうち約3,500歩をある程度まとまった中〜高強度の活動として行っていた人ほど、体重減少が大きい傾向が報告されています。

そのため、単純に歩数だけを増やすのではなく、「少し速く歩く時間を作る」こともポイントです。

5.ダイエット中こそ筋トレが大切

体重を減らすときに注意したいのが、脂肪だけでなく筋肉まで減ってしまうことです。

筋肉量が減りすぎてしまうと、体重は減っても「疲れやすくなった」「体力が落ちた」と感じる可能性があります。

過体重・肥満の方を対象としたメタ解析では、レジスタンストレーニング(筋力トレーニング)は筋肉量を増やすことに有効であり、食事制限と組み合わせた場合にも除脂肪量を維持する効果が示されています。

つまり、ダイエットで筋トレをする目的は、「筋トレだけで大量の脂肪を燃焼させる」というより、「脂肪を減らしながら、できるだけ筋肉を守る」

ことにあります。

6.筋トレは週何回?

一般的には、週2〜3回程度から始めれば十分です。

ACSMの運動指針でも、主要な筋群に対する筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。毎日ハードな筋トレをする必要はありません。

特に運動初心者の方は、週2回、20〜30分程度から始めるだけでも十分です。

継続できる量から始め、少しずつ回数や負荷を増やすことが重要です。

7.ダイエットではどこの筋肉を鍛えればいい?

「痩せるためには、この筋肉を鍛えればいい」という特定の筋肉があるわけではありません。

2024年のACSMコンセンサスでも、体重減少について特定の一種類の運動だけが明確に優れているとはされておらず、さまざまな運動を組み合わせることが勧められています。

そのため、筋トレでは全身の主要な筋肉をバランスよく使うことが基本です。

初心者の方であれば、特に以下のような運動がおすすめです。

<太もも・お尻>

スクワット、椅子からの立ち座り、ヒップリフト

<ふくらはぎ>

かかと上げ

<背中>

ゴムバンドを使ったローイング

<胸・腕>

壁を使った腕立て伏せ

<お腹・体幹>

ブリッジ、軽い体幹トレーニング

特にスクワットや立ち座りなどは複数の筋肉を同時に使用できるため、運動初心者にも取り入れやすい運動です。

8.お腹を痩せたいなら腹筋をすればいい?

「お腹の脂肪を落とすために腹筋を毎日100回」という方法をイメージする方も多いかもしれません。

しかし、腹筋運動だけでお腹の脂肪が落ちるとは限りません。

6週間にわたり週5日腹筋運動を行ったランダム化比較試験では、腹筋の持久力は改善したものの、体脂肪率・腹囲・腹部脂肪には有意な変化が認められませんでした。

局所的な運動による脂肪減少については研究が完全に一致しているわけではありませんが、「お腹を痩せる=腹筋だけをする」という考え方よりも、全身の身体活動量と食事を整えることが基本になります。

9.実際に何をすればいい?

運動初心者の方であれば、まずは次のような目標から始めてみましょう。

歩数:現在の歩数+2,000〜3,000歩を目標にする

ウォーキング:20〜30分程度を週3〜5回

有酸素運動:最終的には週150分以上を一つの目標にする

筋トレ:週2〜3回

筋トレする場所:脚・お尻・背中・胸・体幹など全身

いきなり全部を達成する必要はありません。

たとえば、

「今日はいつもより10分歩く」

「エレベーターではなく階段を使う」

「スクワットを10回だけ行う」

といった小さな変化からでも構いません。

ダイエットでは、一時的にたくさん運動することよりも、数か月、数年と続けられる生活習慣を作ることが重要です。

<まとめ>

ダイエットのための運動

①まずは週150分程度の有酸素運動を目指す

②歩数は「絶対1万歩」ではなく、現在より2,000〜3,000歩増やす

③歩数だけでなく、少し速く歩く時間も作る

④筋トレは週2〜3回

⑤特定の筋肉だけではなく全身を鍛える

⑥食事管理と運動を組み合わせる

ことがポイントです。

特に40代・50代・60代以降では、単純に「体重を減らす」だけではなく、筋肉や体力を維持しながら体脂肪を減らしていくことが大切です。

メディウェルネス富士では、理学療法士が身体の状態を確認しながら、運動が苦手な方でも無理なく続けられる運動方法をご提案しています。

「何から始めればいいかわからない」

「膝や腰が痛くて運動するのが不安」

「体重だけでなく、健康的に身体を引き締めたい」

という方は、お気軽にご相談ください。

参考文献(PubMed)

1. Jakicic JM, et al. Physical Activity and Excess Body Weight and Adiposity for Adults. American College of Sports Medicine Consensus Statement.Med Sci Sports Exerc. 2024. PMID: 39277776.

2. Jayedi A, et al. Aerobic Exercise and Weight Loss in Adults: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis.2024. PMID: 39724371.

3. Lopez P, et al. Resistance training effectiveness on body composition and body weight outcomes in individuals with overweight and obesity across the lifespan.2022. PMID: 35191588.

4. Creasy SA, et al. Pattern of Daily Steps is Associated with Weight Loss.2018. PMID: 29633583.

5. Bravata DM, et al. Using pedometers to increase physical activity and improve health: a systematic review.JAMA. 2007. PMID: 18029834.

6. Vispute SS, et al. The effect of abdominal exercise on abdominal fat.J Strength Cond Res. 2011. PMID: 21804427.

7. Johns DJ, et al. Diet or Exercise Interventions vs Combined Behavioral Weight Management Programs: A Systematic Review and Meta-Analysis of Direct Comparisons.2014. PMID: 25257365.

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